MEDCHEM NEWS Vol.33 No.2
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%最大論文数2202710221027002200279912991789128917791279176912691759125917491249173912391729122917191219170912091498138811243503. 国際的ゼブラフィッシュ創薬CROの展開1: Rat2: Drosophila3: Mouse4: C.Elegans5: Zebrafish1201008060402086図1  各研究モデル動物の医学論文出版数(PubMed)の成長曲線以下の各化合物でin vivoにおける薬効と安全性の大規模スクリーニングが完了できる3,4)。また、動物愛護との調和性が高く、欧米では早くから活用されており、国際的にヒト疾患モデルに焦点を当て、2014年にはZebrafish Disease Model Society(ZDMS)が組織され、継続的に学会活動をしている。 一方、翌年の2015年に、わが国ではヒト疾患モデルに加え、スクリーニングシステムや創薬研究の広範な演題と、産学官からの多様な177名の参加者により、第1回ゼブラフィッシュ創薬研究会(Zebrafish Based Drug Discovery, ZDD2015)が、三重大学において開催された。その後も第4回から名称をゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会へ発展的に改称し、毎年、全国各地で研究会が開催され、本年の第9回はつくば市で、来年の第10回は酪農学園大学での開催が予定されている(表1)。 さらに、国際的ゼブラフィッシュ創薬支援CRO(医薬品開発業務受託機関)(表2)も多数創業され、確実に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。欧米のメガファーマ社内やゼブラフィッシュ創薬CROにおいて、実質的なゼブラフィッシュ創薬開発が、大規模に深いレベルで成し遂げられている。具体的な以下に示すゼブラフィッシュ創薬開発の成功事例は、多くの場合、アカデミアとゼブラフィッシュ創薬ベンチャーによ(1)新規化合物による新しい適応症開発① ORC-13661は、米国ワシントン大学(シアトル)においてゼブラフィッシュにおけるアミノグリコシド性難聴に対する予防薬として開発され、アミノグリコシドによる有毛細胞死を防止する化合物として臨床試験に突入している5)。る産学官連携の果実であり、国際的な展開が明確になっている。わが国では依然としてアカデミアにとどまっていることが、他の研究開発分野と同様、残念な状況であると思われる。 さらに、世界中で多数のゼブラフィッシュ創薬ベンチャーが創業しており、また、国際的メガファーマが、薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用している。ここでは初期にゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが新薬開発に著効した多数の成功例を紹介する。 すなわちゼブラフィッシュ創薬フェノタイプスクリーニングにより、すでに多数の医薬品臨床開発へ進展している成功例が報告され、これらは大きく2つに分類できる。それは、(1)新規化合物による新しい適応症開発と(2)既存分子標的薬の新しい適応症開発などで、これらはほぼすべてゼブラフィッシュin vivoフェノタイプスクリーニングにより可能となっている。② KER-047は、進行性骨化性線維異形成症などを適応症とし、ゼブラフィッシュ胚における発達過程の背

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