MEDCHEM NEWS Vol.33 No.2
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3′5′5′1-メチルイミダゾールO5′dezil)+p(aC_eM4)+p(aC_eM2)+p(aC_eM0)−p(aC_eM4)−p(aC_eM2)−p(aC_eM0NNH2NH2NOPOOOPONNOONNOOONNNOOOOONNOOOOOOOOOOO/I1 P<0.01B 構造活性相関 A 2′-OMe修飾mRNAH2NOPOOOPO32.521.510.50amron ,054sbAANRoNACRATVNN精密合成精製核酸合成機図2  完全化学合成法によるmRNAの合成化学修飾RNA鎖3′3′キャップ化試薬キャップ化mRNA(化学修飾体)OHOHOPOCH3BaseOPOBaseOOPOOBaseOOPOOBaseOOOPOOPHOR1OR2OR3OR4OHOHONaOPOONaPNOCH3CaCl2DMSO55℃,3時間,収率>95%0.450.220.240.30OHOHCH3×2.6OPO2.551.550.00=化学修飾 ×1.677Cap2 {2Me_Cap(+)}:R1-2=CH3, R3-4=HCap4 {4Me_Cap(+)}:R1-4=CH3図3  2’-OMe修飾mRNAの翻訳評価て報告されていなかった。そこで筆者らは、完全化学合成法によりCap2型mRNAに加え、5′末端に2′-OMe修飾を4個導入したCap4型mRNAを新たに合成し、それぞれの翻訳活性を比較した(図3B)。その結果、Cap2型mRNAが最も高い翻訳活性を示し、Cap0型に対し約2.6倍の翻訳活性向上が確認された。またCap4型mRNAは、Cap2型mRNAには劣るが、Cap0に対し約1.6倍の翻訳活性向上が確認された。5. 完全化学合成mRNAワクチン 化学合成法では、RNAの逐次合成ゆえに塩基数と反比例して合成収率が減少する。そのため、現在の技術では、100~150塩基が限界点であり、長鎖RNAを合成することができない。一方、がんワクチンや抗炎症薬で利用されるタンパク質は、化学合成法で十分合成できるRNA長であり、標的とすることができる。そこで、がんワクチンとしてメラノーマ抗原タンパク質を標的とした63塩基のCap2型mRNAを完全化学合成し、その治4. 化学修飾mRNAの構造活性相関 まず、完全化学合成法および酵素合成法からそれぞれ同じ構造のmRNAを合成し、それらの翻訳活性を比較した。その結果、完全化学合成法により合成したmRNAは、酵素合成法により合成したmRNAと比較し、2倍以上の翻訳活性を示した。これは、それぞれの手法におけるキャップ化効率の差に起因している。酵素合成法では、キャップ化効率が4~6割程度であり、免疫応答を誘発する未キャップ化mRNAも存在する8)。一方、完全化学合成法では、9割以上のキャップ化効率を達成しており、免疫応答の抑制が可能となった。 次に、完全化学合成法により化学修飾を導入したmRNAを合成した。ここではRNAの安定性向上に寄与する2′-O-メチルヌクレオチド修飾(2′-OMe修飾)に着目した。生体内では、mRNAの5′末端に2′-OMe修飾を0個、2個導入したCap0、Cap2構造と呼ばれる修飾体が存在する(図3A)9)。しかし、酵素合成法では、Cap2型mRNAの合成は難しく、構造活性相関につい

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