MEDCHEM NEWS Vol.33 No.2
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R3R35’-Me3’-Me4’-Me6’-Me5’-Cl5’-OMeR2R2HNO32NNONZNOYXNYXZCH24H*CYP3A4**676077912.7* IC50(nM)** % inhibition at 10μM*** human microsome(μL/min/mg)CYP3A4**677765717567554545172818138.85.3120702222179−ID91011122-Me>10000173-F4.93-Me* IC50(nM)** % inhibition at 10μMID913141516171819ID19CHCHCH2.0320NCHCH1.8921CHNCH1.3022CHCHN1.2023NCH1.49N24N0.95NCH25CHNN0.62OH5’-FH表2  アリール環の変換LogD2.452.372.462.192.652.182.242.03CH24H*2.71304.47.82.44.78.07.9LogDCH24H*CYP3A4**hMS***7.94.34.5211936100OHOH5'6'4'3'67表1  フェニルピリジン環上置換基の構造活性相関溶性を低減させるため、化合物19のベンゼン環およびピリジン環を、それぞれ、より極性が高いピリジン環およびピリミジン環へと変換した。すなわち、化合物19のアリール環上に窒素原子を1つもしくは2つ導入することを計画した。導入する位置としては、中枢移行性を考慮して極性表面積が大きくならないと期待される立体的に入り組んだ位置を選択した(表2)。その結果、いずれの化合物も期待どおりCYP3A4阻害活性が低下した(5-28% inhibition at 10μM)。一方で、CH24H阻害活性に関しては、窒素原子を1つ導入した化合物のうち、化合物20(IC50=4.3nM)や化合物21(IC50=4.5nM)が活性を維持した。化合物20および化合物21のヒト 肝ミクロソームによる代謝安定性を比較したところ、 より良好な安定性を示した化合物21(22μL/min/mg, soticlestat)を候補化合物として選定した。 化合物21のCH24HとのX線共結晶構造を解析したところ、化合物21は、リード化合物9と同様、4つの鍵となる相互作用を有していることがわかった(図5)。また、化合物21は、CYP3A4(IC50=66000nM)のみならず、他のCYP酵素(2C8、2C9、2D6、1A2、2C19)に対しても十分な選択性を有することを確認した。4. 化合物21(soticlestat)のプロファイル 化合物21は、マウスにおいて経口吸収性および脳内移行性を示し、経口投与(1、3、10mg/kg)により、脳内24HCレベルを用量依存的に低下させた(図6)7)。 化合物21のげっ歯類におけるターゲットエンゲージメントおよび薬力学的作用が確認できたため、次に、病態モデルマウスを用いた化合物21のin vivo評価を実施した。その結果、CH24H阻害剤は、脳の興奮性/抑制性バランスに関与する疾患に有効であることを見出し、てんかんモデルマウスを中心に薬理作用の解析を進 めた。 図7にドラベ症候群モデルマウスScn1a-KOにおける化合物21(0.02重量%の混餌投与、3週間)による顕著なけいれん無発作率の上昇作用を示すが、化合物21は、他にも複数のてんかんモデルマウスにおいて経口投与による薬効発現が確認されている8,9)。これらの結果から、化合物21は、ドラベ症候群(DS)やレノックス・ガストー症候群(LGS)をはじめとした発達性てんかん性脳症(DEE)の治療に有効であることが示唆された。

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