6. 起業家マインドの醸成7. 最後にAUTHOR59率的に実用可能なリガンド分子を探索できる。 多彩なセレクション手法が利用可能なNC-DEL技術が、創薬研究を加速させる基盤技術になることを期待 する。 当社は、人材開発の本質は「社員一人ひとりが自発的に自己研鑽を積み、自己の成長を図ること」にあると考えている。この考えに基づき、成長したいと願う社員をターゲットとし、各階層別の研修以外に、多種多様な人材開発制度を整備している。語学留学制度もその一つであり、最大5ヵ月間の海外留学が可能である。コロナ感染拡大の影響で海外現地でのFace to Faceの機会が減り、その場はwebツールを利用したオンライン会議に置き換わった。相手の表情が見えにくい環境で、ロジックに則り説明し、積極的に相手とコミュニケーションを図る能力は、今後より一層ビジネスツールとしてその必要性が高まるであろう。昨今の事情で、2020年以降の本制度利用者は出ていないが、再開できることを期待する。また、2019年にスタートした「イントラプレナーシッププログラム」においては、社内から選抜した起業家候補生によるチームを編成し、起業家のもつ能力と行動の開発とその育成を目的として、現役起業家のコーチングの下、ベンチャーを設立する行動スキルの実践を促した。これは決して社内研修ではなく、新規事業開発の取り組みとして、ビジネス環境の変化に柔軟に対応するために若手社員の意見を積極的に取り入れることも狙いとしている。起業家候補生のチームは、事業部のサポートを得ながら情報収集、事業性判断、他社との提携可能性調査、事業計画の策定等を短サイクルで仮説検証を繰り返し、将来の有望事業をブラッシュアップすることにつながっている。 日産化学は、「未来のための、はじめてをつくる。」を参考文献 1) Nagaya A., et al., Org. Process Res. Dev., 25, 2029‒2038 (2021) 2) Kurasaki H., et al., Org. Lett., 22, 8039‒8043 (2020) 3) Gökirmak T., et al., Trends Pharmacol. Sci., 42, 588‒604 (2021) 4) Yamada T., et al., J. Org. Chem., 76, 3042‒3053 (2011) 5) Masaki Y., et al., Nucleic Acid Ther., 28, 307‒311 (2018) 6) 入山友輔ら, 日本核酸医薬学会第4回年会 (2018) 7) Clark M., et al., Nat. Chem. Biol., 5, 647‒654 (2009).コーポレートスローガンに掲げ、ヘルスケア事業を含むライフサイエンス分野に資源を集中投下していく。アンメット・メディカルニーズに応えるために、スペシャリティケミカル企業として強みとする化学合成力をコアに技術を最大化し、新製品・新技術開発に取り組んでい る。本稿で紹介の技術はいずれも自社で囲い込むことなく、幅広くオープンに使っていただきながら、実需化を加速する戦略である。創薬モダリティが多様化、進化し続ける中でDDS、ゲノム編集、細胞治療の分野にも果敢に挑戦する。信頼し合える協業先の皆様と想いを一つにし、生命の危機、生活の質の低下に苦しむに患者さんとその家族に寄り添い続ける集団でありたい。石綿紀久(いしわた のりひさ)1991年 静岡県立大学大学院薬学研究科修士課程修了同 年 日産化学工業株式会社入社、生物科学研究所 長南具通(ちょうなん ともみち)1998年 東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了同 年 大正製薬株式会社入社、創薬第1研究室2011年 東京理科大学大学院薬学研究科博士(薬学)2017年 日産化学工業株式会社入社、医薬品事業部 医薬グループ2001年 慶應義塾大学博士(医学)2009年 生物科学研究所医薬研究部長2018年 医薬品事業部企画開発部長2021年 医薬品事業部長2022年より現職企画開発部2021年 医薬品事業部企画開発部長2022年より現職Copyright © 2023 The Pharmaceutical Society of Japan
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