デビッド・A・シンクレア著/マシュー・D・ラプラント著/梶山あゆみ訳東洋経済新報社/四六判/592ページ・定価2,640円(税込)(2020年9月刊)じほう/B5判/192ページ・定価4,400円(税込)(2020年6月刊)櫻井信豪/編著222 「老化は治療できる」 こんなことを言われたら、興味をひかれない方はほとんどいないでしょう。 こんな夢のような話をどのように進めていくのだろう?本当にそんな社会が実現するのか?半信半疑でした。一般の読者向けにおもしろおかしく書かれていると思いきや、読み進めると、意外にも硬派で、最新の研究論文も引用しながら論理的に書かれており、研究者の皆様も満足できる内容だと思いました。そして同時に、「なぜ我々が老化するのか?」という疑問にも触れているところもこの本のおもしろさを引きたてるポイントであり、非常にバランスよく考えることができます。 また、この本の筆者DavidA.Sinclair(ハーバード大教授)は、インパクトのある研究を数多く報告している老化の第一 医薬品の製造は「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(医薬品GMP)」を遵守して行わなければならない。GMPを理解することは医薬品の製造に携わる者にとって必須である。とはいえ、省令とかGMPとかといった文字からは堅苦しさを感じ、なかなか踏み込めないかもしれない。 本書は、これからGMPを理解しようとする者にとって最適の書籍である。組み立てや文章が柔らかであり、GMPの知識がまったくない者でも容易に読み進めることができる。省令の解説に留まらず背景や運用など深く細かに説明しており、製薬会社の組織や関連法規制まで幅広く記載されている。用語を正確に使っているために初心者には専門性が高く難解にみえる記載も含まれているが、最初は読みにくいところを飛ばして読み、理解が深まるにつれて読む部分を増やし人者であり、彼の歩んできた研究生活を垣間見ることができるのは、若手研究者にとって強い刺激になること間違いなしです。 今の日本は、人口に占める65歳以上の割合が30%目前のところまできており、“超”高齢社会と呼ばれる状態に突入しているそうです。介護や医療の問題が重くのしかかっているなか、老化は“治療できる”という考え方は、この社会において歓迎されるはずです。私自身も抗老化薬に興味をもって研究をしております。ぜひ幅広い領域の先生方にこの本をご一読いただき、「老化の治療薬」の議論ができる機会をつくれればいいなと思っております。ていけばよい。本書には「本章に入る前に」というコラムがあり、その章に記載する内容につながる逸話を紹介している。このコラムは誰でも理解できる逸話であり読みやすく、ここを読むことで続く本文の内容がわかりやすく取りつきやすいものになっていく。いつのまにか正確な用語に慣れ、難解にみえた文章も正しい記載であると理解するようになるであろう。 製薬会社に勤務して製造関係の部署に配属される者は多いが、大学ではGMPに関する講義が少ない。本書は医薬品を扱う仕事に携わる方々、特に製薬会社を志望する学生に一読いただきたい。高橋 大輝(東北大学大学院生命科学研究科)Copyright © 2022 The Pharmaceutical Society of Japan鈴木 雅寿(大正製薬株式会社)Copyright © 2022 The Pharmaceutical Society of Japan老いなき世界仮想査察事例を徹底解説紹介紹介LIFESPAN(ライフスパン)ゼロから学ぶGMP
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