3. これからの活動アカデミア創薬懇話会創薬セミナー創薬人育成事業企業あらたな「つながり醸成企画」:アカデミア⇔企業学生企業研究者との懇談会MCS:創薬懇話会:創薬セミナー:創薬人育成事業:AIMECS:企業研究者との懇談会:アカデミア⇔ 企業⇔ 学生学生⇔ アカデミア⇔ 企業企業⇔ アカデミア⇔ 学生企業⇔ 学生国内⇔ 海外学生⇔ 企業219図1 創薬NF検討会:これからの活動MCS論、化合物の評価方法、新規モダリティーなどの分野の発表の場となることも示し、新たな参加者を掘り起こしてきた。またMCSにてランチョンセミナーの導入を提案したのもNF検討会である。企業からの参加者が多いことがMCSの特徴であるが、多くの企業研究者に、より詳しく情報を伝えることができる場として、ランチョンセミナーが活用されている。 NF検討会では、医薬化学部会の今後の在り方を議論するなかで「学生のモチベーションやキャリア設計の良きインフルエンサーとなること」を活動目的の1つとして掲げている。2019年度の第37回MCSでは、学生を中心とする希望者と製薬企業の研究者で数名ずつのグループに分かれて、研究内容や研究者としてのキャリアなどについて、気軽な雰囲気下で懇談できる機会を設けた。どれだけの参加希望者がいるのか、混乱が生じないだろうかとの事前の不安をよそに、事後アンケートでは多くの参加者からの好評を得ることができた。2020年度には、コロナ禍によりMCSは非開催となったが、学生と企業研究者の懇談会活動を継続し、試験的に一部の大学を対象にオンラインで開催した。はじめて会うメンバーでパソコンの画面を介して懇談するという試みは、前年にも増して不安を伴うものであったが、ほぼ全員の学生から「企業での仕事をイメージすることができた」「進路について考える良い機会になった」といった好意的な感想をいただいた。加えて、「他の企業の方の回答が自分自身の気付きになった」「改めて自分を見つめ直し、刺激を受ける機会になった」というように企業側の参加者からも思わぬ好評が得られた。2021年度には対象を全国の大学に拡大して開催し、あわせて学生86名、企業研究者46名の参加の下で前年同様に満足度の高い結果となった。NF検討会では、今後も引き続き企業研究者との懇談会を開催する予定でいる。2022年度「企業研究者との懇談会」の開催要領を本REPORTの末尾に掲載したので、多くの学生の参加を期待している。 NF検討会の活動において、「つながり醸成」は1つのキーワードである。前述のとおり、初期NF検討会は企業所属のメンバーで構成され、企業間のつながり醸成に大きく寄与した。第37回MCSで実施し、その後、オンラインで継続している「企業研究者との懇談会」は、学生と企業のつながり醸成の場である。NF検討会として次に狙うところは、大学教員(アカデミア)と企業とのつながり醸成である(図1)。35歳前後までの若手教員を対象とした独自のアンケート(2021年秋実施)では、実に95.5%の若手教員から「現時点での製薬企業研究者・大学教員のつながりが不十分と感じている」との回答を得ている。NF検討会では、特別チーム(東北大学・石川稔、大塚製薬・川野芳和、第一三共・山野井茂雄)を立ち上げ具体的な企画を検討しており、その1つが、第39回MCS(本年11月23日~25日)で実施される「つながり醸成企画─未来を切り拓く創薬技術─」である。複数名の(若手)大学教員が自身の研究内容を紹介し、企業研究者はアカデミアでの最新の研究成果を知る、発表者は企業目線でのニーズを体感する場になればと期待している。来年度以降オンサイトでのMCSの開催が可能となれば、紹介(発表)の後に、別途意見交換会を設けることで、発表者・参加者双方に、より深いつながりをもっていただけるのではないかと考えている。 また第39回MCSでは「創薬研究の裾野を広げる取り組み」を模索し、一部のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)と連動する形で、高校生のポスター発表を試験的に実施する。SSHは、高校と大学・研究機関が連
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