〔SUMMARY〕2. これまでの活動1.はじめに DHBL Protein Integrity & Homeostasis Domain Head, Eisai Co., Ltd.218MEDCHEM NEWS 32(4)218-221(2022)Keyword Drug Discovery, Medicinal Chemistry, New Frontier, Fostering Relationship*1 名古屋大学 大学院創薬科学研究科 教授 *2 エーザイ株式会社 DHBL プロテインインテグリティー&ホメオスタシス横島聡Satoshi Yokoshima*1・寺内太朗Taro Terauchi*2ドメイン ヘッド 創薬ニューフロンティア検討会1)(以下、NF検討会)は、2016年、上野裕明医薬化学部会長(当時)や仲建彦先生(故人)をはじめとする歴代部会長、そして日本薬学会医薬化学部会を力強く牽引して来られた先生方のお声掛けにより、常任世話人会のもう一つ下の世代の企業間のつながりを醸成することを目的として、医薬化学部会に設置された。その後、企業間のみならず企業とアカデミアの連携を図るために、大学の研究者も加わることで、医薬化学部会の活動や日本の医薬化学研究をさらに活性化し、またその人材育成に貢献するための活動を行っている。 以下に、NF検討会のこれまでを振り返るとともに、これからの活動について紹介したい。 創薬ニューフロンティア検討会は、日本薬学会医薬化学部会に設置された検討会である。2016年に製薬企業に所属する研究者で設立され、その後、大学教員もメンバーに加わり、活動してきた。メンバー間での交流を深めつつ、医薬化学研究の活性化を目的として、医薬化学部会にさまざまな提案をしてきた。具体的には医薬化学部会の年会であるメディシナルケミストリーシンポジウムでの招待講演者提案、ポスター発表でのカテゴリーの導入、ランチョンセミナーの導入、学生と企業研究者との交流の機会となる「企業研究者との懇談会」があげられる。創薬ニューフロンティア検討会において「つながり醸成」は重要なキーワードであり、今後も医薬化学部会を中心としたつながりを広げるべく、活動を進めていく。“WorkingGroupforNewFrontierinDrugDiscovery”(NF-WG)waslaunchedin2016asasubgroupofThePharmaceuticalSocietyofJapanDivisionofMedicinalChemistrywiththeaimofvitalizingresearchfieldofmedicinalchemistry.NF-WG,whichconsistsofdiversememberfromvariouspharmaceuticalcompaniesanduniversities,hasworkedonMedicinalChemistrySymposiumtomakeitmorevaluableforallparticipants,forexample,postercategorizationsystemandluncheonseminarwerenewlyincorporated.Furthermore,newprogram,“Round-tablediscussionwithindustryscientists”wasinitiatedasaquiteuniqueopportunityforinteractionbetweenindustryscientistsandstudents.Wewillcontinuetotakeonnewchallengestoenhanceconnectivitybetweenscientistsinmedicinalchemistryfield,because“FosteringRelationship”isfundamentalkeywordforNF-WG. NF検討会の発足当初は、製薬企業各社を代表した創薬化学に携わるメンバーの交流の場としての位置づけが大きかった。例えば、各社の新入社員の育成をどのように進めているかを共有することや、新しい機器の導入を考える際に他社での使い勝手を情報交換することなど、地味ながら各企業における実際の研究所運営の参考にする機会となっていた。 NF検討会は、医薬化学部会から部会活動を活性化することを期待されており、その具体的な施策として、常任世話人会に複数の提案を行ってきた。例えば、より魅力的なメディシナルケミストリーシンポジウム(MCS)を目指して、聴講者目線を大切にして、医薬化学研究のみならず、興味を惹きそうな萌芽的な研究や他分野の融合研究を招待講演に推薦してきた。加えてポスターセッションにおいては、これまで一様に集められていた発表演題に対して、カテゴリー別に整理することで発表者と聴講者が一体となってディスカッションしやすい体制を構築した。カテゴリーを明示することで、MCSがいわゆるメディシナルケミストリーや有機合成研究のみならず、その基盤となる幅広い技術開発、新しい創薬の方法Professor, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Nagoya UniversityActivities of “Working Group for New Frontier in Drug Discovery”創薬ニューフロンティア検討会の活動
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