:Bleomycin A5:Linker:Affinity module (Small molecule)187図1 a)CUGリピート伸長とその切断分子、b)CCUG結合分子ヒットtoリードTR-FRET(IC50)NMR binding confirmation(waterlogsy experiment)DM2 cellverifiedhitHigh-throughput TR-FRET screen4-2. 筋ジストロフィー2型を標的とした、C-C-U-Gリピート配列伸長結合性低分子の最適化と評価5) 筋ジストロフィー2型(DM2)は、DM1でのC-U-Gリピート配列と同様に、CNBP(CCHC-TypeZincFingerNucleicAcidBindingProtein)遺伝子中に存在するC-C-U-Gリピート配列伸長がその責任分子となっている。CNBPがMBNL-1タンパク質と複合体を形成することで、スプライシング等の通常のMBNL-1の機能を損ない、DM2病態の原因となる。C-C-U-Gリピート配列伸長は塩基対形成によって、2x2のCU/UCの分子内ループモチーフを形成し、周期的な繰り返し構造を呈する。しかしながら本研究では上述のような二量体形成のストラテジーを取らず、モノマーの最適化を通じてdruglikeなリガンドを得ることを試みた。既知のリガンドは、Kanamycineoligomer等の中程度以上の分子量を有する化合物のみで、創薬研究の課題の1つになっていたからである。高次構造を形成できないことが知られており、この最適化で見出された二量体-Bleomycin化合物は、繰り返し構造の多いリピートの高次構造を選択的に認識することが示唆された。 ヒット化合物は、当研究室の有するRNAfocusedlibrary(3271化合物)よりTR-FRETスクリーニングを実施して得られ(7化合物)、得られた化合物に対してC-C-U-Gリピート配列に対するaffinitystudyを実施し、特異的に結合しているかを確認した。種々の結合試験(Microscalethermophoresis(MST)、BiolayerInterferometry(BLI)、種々FRETbaseの競合試験等)を実施したものの、ヒット化合物程度のweak~moderateな結合活性化合物に対しては、その検出が困難であった。一方で、NMRを用いたwaterlogsystudyによりクリアに化合物とC-C-U-Gリピート配列の結合を効果的に確認することができた。この測定試験では、buffer中で高濃度のRNAと化合物を用いるため、低溶解性化合物をフィルターすることができる。最低限の溶解度を担保し、ヒットの質を向上するためにもwaterlogsystudyは、適した試験であるように感じた。ScrippsFloridaのNMRファシリティに常駐しているmanagerが当然のことながらwaterlogsyをよく知っていたため、手技手法のイロハを教えていただけて非常にためになった。標的RNAとの結合が確認された化合物はDM2細胞中での活性が確認でき、bioactiveなヒット化合物を見出した。
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