MEDCHEM NEWS Vol.32 No.3
45/60

FNOSFNOOSSFNOOFNOOSNHOO>100>100>1004. 化合物15(MT-3995)とMRのドッキング157rMR binding Ki = 0.596μMhMR binding Ki = 0.611μMrGR binding Ki = 41.5μM図4 ジフェニルアミン誘導体から1,4-ベンゾオキサジン-3-オン誘導体Compound表2  ヒトステロイドホルモン受容体選択性スピロノラクトンエプレレノン15(MT-3995)IC50(μM)AR bindingPR binding0.048017.0>1001214OONH13Ki = 1.75μMKi = n.t.Ki = >100μMMR bindingGR binding0.009626.050.22653.8>1000.276OONHKi = 0.201 MKi = 0.160μMKi = 136μMERα binding0.977>100>100>10072.0>100OONH15(MT-3995)Ki = 0.0308μMKi = 0.104μMKi = 84.2μMERβ binding可能性を考え、スルホンアミド基と反対側の極性官能基になり得るカルボニル基を導入するために、アミンをアミドに変換した11を合成した。残念ながらその変換は、アミドカルボニル基がMRと相互作用していないためかMR結合活性の向上は見られなかったが、フェニル基にフッ素原子を導入した12のMR結合活性が上昇することを見出した。 次にアミドカルボニル基がMRと相互作用できる最適な位置になることを期待して、ジフェニルアミン構造の環化固定を検討した(図4)。環化するにあたり、脂溶性増加による薬物動態の悪化を抑えるために酸素原子を導入した1,4-ベンゾオキサジン-3-オン構造を試してみたところ、環化体13が中程度のMR結合活性と高い受容体選択性を示した。そこで疎水性相互作用の増強およびアミドカルボニル基が安定的にMRと相互作用できる位置になることを期待して、1,4-ベンゾオキサジン-3-オン構造の2位にアルキル置換基を導入して化合物最適化を試みた。するとメチル基の導入により高い受容体選択性を維持したままMR結合活性が向上することが判明し、さらにもう1つメチル基を導入してジメチル置換基にすることにより、MR結合活性ならびに受容体選択性が非常に優れた15(MT-3995)を見出した10)。15のアミドカルボニル基を還元してアミンに変換した化合物は、その変換により大きくMR結合活性が低下することから(rMR binding:Ki = 0.37μM)、期待どおりアミドカルボニル基がMRと相互作用していると予想された。15のヒトステロイドホルモン受容体におけるMR選択性を各受容体の放射性リガンド結合阻害作用で調べたところ、15は他の受容体にはほとんど結合せず、ステロイド型MR拮抗薬よりも極めて優れた選択性を示すことが判明した(表2,MR selectivity>360 vs GR,AR,PR,ER)。 PDB11)に登録されているMR構造(PDB ID 5MWP)と15とのドッキングモデルをGLIDE12)で構築してみると、想定どおりスルホンアミド基がMRのAsn770およびThr945側鎖と、またアミドカルボニル基がSer810側鎖と水素結合を形成していることが考えられた(図5)。Ser810の位置に対応する各ステロイドホルモン受容体のアミノ酸はGR、AR、PRがMet、ERがLeuであり、その違いが15の優れた受容体選択性をもたらしていると考察された。一方、H12の折り畳みを阻害すると期待していた4-フルオロフェニル置換基は、最近X線結晶構造解析で明らかにされたステロイド型MR拮抗薬7位の置換基が入るLeu814、Phe829、Met845、Met852モデル

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る