MEDCHEM NEWS Vol.32 No.3
44/60

R2R1R2R1>100>100HHHHHHHH12345678NSRNOSS2S9a rat MR. b human MR. c rat GR. d Not tested.NHNHNHNH3. MR拮抗薬のデザインと化合物最適化156表1  2,2-ジフェニルプロパン誘導体の構造活性相関Ki(μM)hMRb bindingn.t.d0.740n.t.d1.92n.t.dn.t.d1.37n.t.d1011: R = HKi = 1.24μMKi = 1.27μMKi = 22.2μMOOCompound No.rMR binding Ki = 1.96μMhMR binding Ki = 0.740μMrGR binding Ki = 40.0μM図3  2,2-ジフェニルプロパン誘導体からジフェニルアミン誘導体NHCOCH3NHSO2CH3NHSO2CF3NHSO2CH2CH3NHSO2N(CH3)2SO2NH2SO2NHCH3Ki >100μMKi = n.t.Ki >100μMOOrMRa binding1.96>1003.776.88>1004.31NHSO2CH312.0Ki = 0.357μMKi = 0.147μMKi = 29.1μMOONHOOrGRc binding40.0>10037.929.0>100>10019.612: R = FKi = 0.596μMKi = 0.611μMKi = 41.5μMと相互作用する極性官能基、およびH12の折り畳みを阻害する嵩高い置換基を有するT形化合物がMR拮抗薬になる」という仮説(図2)を立て化合物探索を行った。 ビスフェノールAはER作動薬の1つであり、その2,2-ジフェニルプロパン構造は内因性リガンドであるエストラジオールのステロイド構造に相当すると考えられる(図2)。そこで、ステロイド骨格に代わる脂溶性中核構造として2,2-ジフェニルプロパン構造を用い、まずその片端の極性官能基を探索した。極性官能基としてはMRと水素結合相互作用が可能なアミド基、スルホンアミド基を試してみた。化合物の活性はMR結合能(3H-アルドステロン結合阻害)で、また受容体選択性はMRと相同性が最も高いGRへの結合能(3H-デキサメタゾン結合阻害)で評価したところ、表1に示すように、極性官能基としてアセトアミド基を導入した化合物1のMR結合活性はKi>100μMであったが、スルホンアミド基をもついくつかの化合物はMRに結合することが判明した。そのなかでパラ置換メタンスルホンアミド誘導体2が最も強いMR結合活性および受容体選択性を示した。 次に脂溶性中核構造として2,2-ジフェニルプロパン構造を合成展開が容易なジフェニルアミン構造に変換できるかどうかを検討した(図3)。2の2,2-ジフェニルプロパン構造をN-無置換ジフェニルアミン構造に変換した9のMR結合活性はKi>100μMであったが、N-アルキル置換基をもつジフェニルアミン誘導体は強いMR結合能を示すことがわかり、特にN-ベンジル置換体10が強い活性を示した。10のN-ベンジル基もしくはジフェニルアミンの官能基が付いていない側のフェニル基は嵩高い置換基であり、それがH12の折り畳みを阻害する

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る