MEDCHEM NEWS Vol.32 No.2
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61図1 創薬・医療技術基盤プログラム(DMP)の取り組み図2 DMPの柱となる3つの機能基礎研究で培われたすぐれたシーズを発掘し、理研の各センターなどに設置された創薬基盤ユニットや外部ネットワークを活用して最適化を図り、最終的に企業や医療機関にアライアンスすることを目標とする創薬・医療技術を目指すシーズ独自の選定評価方法により、革新的な創薬・医療技術の実用化を目指すテーマ・プロジェクトに選択・集中化先進的かつ実用的な基盤技術プラットフォーム 創薬・医療基盤技術の強化、ネットワーク化により、総合的な技術プラットフォームを実現創薬研究開発経験のあるポートフォリオマネージャー、臨床開発マネージャーが、テーマ・プロジェクトリーダーの研究計画から進捗管理までを支援経験豊富なマネジメントチームトフォームとして、創薬ケミカルバンク基盤、創薬シード化合物探索基盤、創薬化学基盤、創薬先端計算科学基盤、創薬タンパク質解析基盤、創薬分子設計基盤、創薬抗体基盤、創薬iPS細胞研究基盤、創薬インテリジェンス連携基盤の9つの創薬基盤ユニットが設置されている(図3)。例えば低分子創薬の場合、HTSからシード化合物を見出すプロセスでは、ケミカルバンク基盤、シード化合物探索基盤、創薬分子設計基盤、タンパク質解析基盤が対応し、リード創出からリード化合物最適化のプロセスでは、タンパク質解析基盤、創薬化学基盤、創薬分子設計基盤、先端計算科学基盤が対応している。抗体医薬の場合には、抗体基盤とタンパク質解析基盤が連携している。このように、創薬基盤ユニットのメンバーは、各テーマ、プロジェクトリーダーのもとで個々の研究課題を推進している。創薬基盤を有する各研究センターは、創薬以外の固有のミッションももっているため、2-2.マネジメントオフィス このマトリックスマネジメントの要が、マネジメントオフィスである。本プログラムの特徴は、創薬研究の流れに沿ったマネジメントチームが構成されていることである。すなわち創薬のプロセスは、創薬ターゲットの同定、アッセイ系の構築、スクリーニング系の構築、スクリーニングの実施、シード化合物の同定、シード抗体の同定、薬理試験、薬物動態試験、安全性試験等、研究開発の上流から臨床試験への橋渡しまで広範な要素で構成されており、それぞれの場面で専門人材が求められる。 さらに重要なのは、創薬のパラダイムを転換する可能性のある、新規モダリティー(創薬技術)を見出し、汎個々の基盤ユニットが有機的に創薬研究に関与できるよう、DMPへの参画を縦横の関係とするマトリックスマネジメント体制が確立されている(図3)。

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