MEDCHEM NEWS Vol.32 No.2
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90図5  左右非対称なSi-rhodamine類の合成法と合成した色素例図6  A:フルオレセインとそのSi置換体、B:Gaussian 09を用いた密度汎関数法(DFT)による分子軌道計算により算出したフルオレセイン誘導体と2-Me TokyoMagentaのHOMOおよびLUMOエネルギーレベルを大きく進展させることを期待した。 筆者らは、Si-rhodamine類と同様に、キサンテン環における酸素原子をケイ素原子へと置換することで、フルオレセインの化学的特性をもつとともに、フルオレセインより約90nm長波長側に吸収・蛍光波長をもつ新 規赤色蛍光団「TokyoMagenta類」の開発に成功した (図6A)13)。また、分子軌道計算によってフルオレセインおよび2-Me TokyoMagentaのHOMOおよびLUMOエネルギーレベルを計算した結果(図6B)、以下の3つの要因により長波長化が起きていると考えられた14)。

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