R3R5R1+NR434O1056NR2+N+NNNOACB89127ONNNNNNNN+NH2+NH2λabs = 641nmλem = 641nmλabs = 552nmλem = 569nmλabs = 593nmλem = 613nm ε = 90,000 Фfl = 0.40λabs = 498nmλem = 520nm ε = 82,000 Фfl = 0.84H2NH2NH2Nλabs/λem λabs/λem λabs/λem λabs/λem λabs/λem COO長波長化593nm / 613nmSiTMDHSPyronine YRhodamine Green646nm / 660nmSiNH2SiSi2-Me SiR600674nm / 689nm691nm / 712nmSiSi721nm / 740nmSi89図4 Si-rhodamine類図3 A:TMDHSとPyronine Yの分子構造、B:Rhodamine類の分子構造、 C:Rhodamine GreenとそのSi置換体例えば、汎用されている緑色蛍光団の1つであるローダミングリーンに対してキサンテン環構造の酸素原子をケイ素原子に置換した2-Me SiR600は、約90nmの吸収・蛍光波長の長波長化を示し、613nmに蛍光極大波長を示すとともに、大きなモル吸光係数および高い蛍光量子収率を示す実用的な蛍光団であった(図3C)6)。さらに、キサンテン環部位の共鳴系を広げることで、さらなる長波長化も可能であり、600nmからおよそ30nm刻みで740nmまでの蛍光波長を示すSi-rhodamine類を開発することに成功した(図4)7)。さらに、筆者らは左右非対称なSi-rhodamine類の合成法の確立に成功し、さまざまな吸収・蛍光波長を示す蛍光団の開発を可能とした (図5)8)。これらSi-rhodamine類は、通常のrhodamine類で確立されたさまざまな蛍光制御原理を応用可能であり、これら蛍光団を基礎として、Ca2+蛍光プローブ9,10)や低酸素環境検出蛍光プローブ8,11)、ジぺプチジルペプチダーゼ4(DPP-IV)酵素活性検出蛍光プローブ12)な ど、多数の蛍光プローブの開発に成功している。4. 新規蛍光団:TokyoMagenta類 代表的な緑色蛍光団であるフルオレセイン(図6A)は高い水溶性を有し、可視光での励起が可能であり、水中における高いモル吸光係数や高い蛍光量子収率などさまざまな利点を有している。そのため、生命科学研究のみならず幅広い分野で利用されている。蛍光プローブにおいても、フルオレセインを母核とした多くの蛍光プローブが実用化されており、例えば、生細胞染色に用いられているCalcein アセトキシメチルエステル(AM)や、Ca2+蛍光プローブFluo-3 AMなどがあげられる。一方、このようなフルオレセイン骨格を用いて開発された蛍光プローブはすべて緑色蛍光を示すため、例えば、汎用される緑色蛍光タンパク質であるGFPを発現させた細胞に応用することや、他の緑色蛍光プローブとの共染色に用いることは難しい。緑色蛍光領域に蛍光をもつ蛍光試薬は非常に多いため、さらに長い蛍光波長をもつ新たな蛍光団を開発することで、蛍光イメージング技術
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