MEDCHEM NEWS Vol.32 No.2
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O4RNNONONN6eN8NNN9NNNNNN9XNNNXNNXN123456112NNI27図3  化合物4の合成ルート料9が残存することからLDAがブロモ化剤と反応している可能性が考えられた(entry 2)。塩基をLDAからLiHMDSに変更したところ、原料9は消失したが、ジブロモ体11(X=Br)が優先して生成した(entry 3)。興味深いことに、LiHMDSを半量にしても、ジブロモ体11(X=Br)は優先して生成しており(entry 4)、目的物であるモノブロモ体10(X=Br)からジブロモ体11(X=Br)が生成する反応は、速やかに進行すると考えられた。そこで、2つ目のハロゲン化の抑制を期待して、ハロゲン化剤として原子サイズの大きいヨウ素を用いたところ、ジヨード体11(X=I)の生成が抑制され、鍵中間体10(X=I)を得ることに成功した(entry 5、6)。4. リード最適化ハロゲン化剤1.22.01.21.21.01.0THF−78℃塩基LDA2.2LDA2.5LiHMDS2.02.5LiHMDS1.03.5LiHMDS1.13.5LiHMDS2.0当量反応時間(h)結果(9:10:11)塩基1:0.2:0(NMR)1:0.2:0(NMR)0:0:1(NMR)1:1:2.5(NMR)72%:26%:0%(収率)0%:89%:0%(収率)1011Cla, bCOOHClTyr303Arg383OHHNFeOBnc, dCOOtBuClOBnCOOtBuClClBrClClBrOHOBnCOOtBuOBnCOOtBuOBnf, g, h, iCOOtBuOBnCOOtBuOHHNCOOH83図2  HIF-PHと化合物4の結合様式モデル表2 化合物9の位置選択的ハロゲン化反応の検討Reagents and conditions: (a) tert-butyl 2,2,2-trichloroacetimidate, BF3·Et2O, THF; (b) benzyl alcohol, NaH, DMF, 0℃; (c) hydrazine hydrate, 1,4-dioxane, 100℃; (d) p-TsOH·H2O, trimethyl orthoformate, 60℃; (e) morpholine, AcOEt, reflux; (f) MsOH, toluene–AcOEt; (g) glycine ethyl ester hydrochloride, EDC, HOBt, TEA, DMF; (h) H2, Pd-C, THF–MeOH; (i) 4N NaOH aq., EtOH, reflux.entryハロゲン化剤当量中間体の設定は重要であり、検討できる誘導体の質・数に大きく影響する。筆者らは、中間体9の位置選択的なハロゲン化反応によって鍵中間体10を取得することができれば、カップリング反応によって多様な置換基を効率的に導入できると考えた。 化合物9の位置選択的なハロゲン化反応の検討結果を表2に示した。化合物9に低温にてLDAを添加すると反応は速やかに複雑化したが、ブロモ化剤共存下でLDAを添加したところ、複雑化は抑制でき、低収率ながら目的のブロモ体10(X=Br)の生成を確認した(entry 1)。収率の向上を期待して反応試薬の当量を増やしたが、原4-1.細胞活性向上を目指した探索合成 こうして得られた鍵中間体10を利用して、リード化合物4に対する脂溶性置換基の導入を行い、細胞活性の向上を目指した。その代表例を表3に示す。まず、長さ

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