MEDCHEM NEWS Vol.32 No.1
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35図7 カテゴリカルパラメーターを含む反応条件最適化AUTHOR参考文献1)KishiK.,et al.,Chem. Commun.,53,7724‒7727(2017)2)KondoM.,et al.,Chem. Commun.,56,1259‒1262(2020)3)KondoM.,et al.,Green Chem.,23,5825‒5831(2021)4)ShieldsB.J.,et al.,Nature,590,89‒96(2021)謝辞 機械学習については、大阪大学産業科学研究所の鷲尾隆教授、原聡准教授、鷹合孝之博士、石川一宣博士らにご教授いただいた。また、研究を進めてくれた滝澤忍准教授、近藤健助教(現、茨城大学)ならびに論文の共著者となっている学生諸氏に感謝申し上げる。笹井宏明(ささい ひろあき)1985年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了1985年相模中央化学研究所研究員1988年北海道大学薬学部助手(柴崎正勝教授)1992年東京大学薬学部助手、講師1994年文部省在外研究員(UCLA,Houk教授)1995年東京大学大学院薬学系研究科助教授1997年大阪大学産業科学研究所教授、現在に至るベイズ最適化 形状のわからないブラックボックス関数の最大値(あるいは最小値)を求める機械学習的手法。ベイズ統計学で知られる18世紀のイギリスの科学者ThomasBayesの名に因む。反応温度や反応時間のような可変パラメーターによる変化が正規分布曲線を描くガウス過程回帰に従うとして、その予測分布の期待値と標準偏差(不確かさ)を用いて獲得関数を計算し、獲得関数が最大となるであろう条件を求める。得られた条件でデータの収集(実験)を行い、満足できる結果が得られるまでこの一連の過程を繰り返す。その際、期待値が大きいと予測できる条件の「活用」と、標準偏差が大きく最大値を与える可能性がある条件の「探索」の両方をバランス良く利用することで局所解に陥ることを防ぐ。期待値と標準偏差の取り扱いについて、さまざまな獲得関数が開発されている。笹井宏明(大阪大学産業科学研究所)Copyright © 2022 The Pharmaceutical Society of JapanCopyright © 2022 The Pharmaceutical Society of Japan用語解説

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