MEDCHEM NEWS Vol.32 No.1
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4. おわりに34図5 最適と予測された条件での実際の反応結果図6 ベイズ最適化を活用する最適条件探索による反応条件の設定を行った。まず、図6のentries1-5の実験結果を学習データとしてベイズ最適化を行ったところ、entry6の条件が提示され、実際にこの条件で反応を行うと収率は29%となった。さらに、entries1-6の条件を用いてベイズ最適化を行ったところ、収率が向上し67%となった。ベイズ最適化では、収率が収束するまで予測と実験データの取得を繰り返すことができる。本稿で紹介したガウス過程回帰やベイズ最適化のプログラムは、該当する文献のSupportingInformationで公開している。なお、ベイズ最適化を利用する反応条件探索については、最近Doyleらが光延反応などへの応用を報告している4)。彼女らのグループも用いたプログラムを公開しており、併せて参考にしていただきたい。 ベイズ最適化では、可変パラメーターの種類として数値化しやすい温度や反応時間のような連続するパラメーターや、カラムの本数のような非連続パラメーター(離散パラメーター)のほか、溶媒の種類やフロー合成におけるマイクロミキサーの種類のような数値化しにくいカテゴリカルパラメーターも取り扱うことができる。図7に示すフロー反応でのマイクロミキサーの種類についての検討結果を現在投稿準備中であり、近日中に報告したい。

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