日本薬学会 薬学用語解説 日本薬学会
 参考文献  使い方
当サイトの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、本会は利用者 が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではありません。

RAN翻訳

 

 一般的にタンパク質への翻訳は,開始コドン(ATG)から始まる.しかし,特定の塩基配列の非常に長い繰り返し配列(リピート配列)が存在すると,開始コドンがなくても翻訳が生じることが2010年に実験的に確かめられ,repeat-associated non-ATG(RAN)翻訳と呼ばれるようになった.リピート配列の異常伸張に起因する多くの神経・筋疾患では,変性過程にある細胞に,リピート配列由来のポリペプチドが蓄積しており,発症に重要な役割を果たしていると考えられている.RAN翻訳が生じるのに必要なリピート数やリピート配列のパターン,開始・終止点,従来の翻訳機構との異同などは,現状では不明である.(2015.01.FYI)


IndexPageへ戻る





Copyright© 2005-2008, The Pharmaceutical Society of Japan