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CO

 

一酸化炭素、Carbon Monooxide

一酸化炭素は、常温・常圧で無色無臭の気体である。高温で強い還元作用を示すほか、常温でも遷移金属に配位して、種々の金属カルボニル錯体を形成する。有機合成の原材料としても有用で、ハロゲン化アリールにパラジウム触媒の存在下、一酸化炭素を共存させるとホルミル化が進行するように、カルボニル基などC1ユニットの付加反応に用いられる。一酸化炭素は水には溶けにくいものの、血液中ではヘモグロビンに対する親和性が酸素の約250倍高く、2価のヘム鉄に配位して、酸素運搬能を低下させる。21%酸素の空気に0.1%の一酸化炭素が混入すると、平衡状態では約半分のヘモグロビンが一酸化炭素結合型となる。ヘモグロビンの30%が一酸化炭素で飽和されると、低酸素状態を示す頻脈と心電図の変化や頭痛・吐き気・めまいなどが現れ、ヘモグロビンの50~80%が一酸化炭素で飽和されると、意識喪失から昏睡・けいれんをきたし死に至る。また慢性的な一酸化炭素中毒では、不可逆的な神経障害から認知症パーキンソン病様症状(パーキンソニズム)がみられることがある。(2007.3.15 掲載)


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