分岐鎖アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、branched chain amino acid
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、ヒトの体内で合成できない9種類を必須アミノ酸という。そのうち側鎖に枝分かれした炭素鎖をもつアミノ酸、すなわちバリン・ロイシン・イソロイシンを分枝鎖アミノ酸(BCAA)という。
筋肉を構成している必須アミノ酸の約35-40%がBCAAで、筋肉のタンパク質分解を抑制するといわれている。筋肉内に蓄積され、活動する際にはエネルギー源となることから、運動時に摂取すると良いと考えられている。大豆・チーズ・マグロの赤身などに、100 gあたり4-7 g程度と多く含まれているほか、BCAAを含むサプリメントも市販されている。
BCAAが低下する肝硬変や肝性脳症の患者では、アンモニア生成抑制の観点から低タンパク食を求められるものの、窒素バランスを維持するために健常者の1.3倍程度多くのアミノ酸を必要とすることから、BCAA含有製剤が開発され、臨床上使用されている。(2008.2.7 掲載)