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結核

 

tuberculosis

 グラム陽性抗酸菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる感染症。「肺結核」が主であるが、低頻度で髄膜、脊椎(カリエス)、関節などの「肺外結核」をおこすこともある。感染症法の二類感染症であり、第二種指定医療機関や結核指定医療機関で対処する。

 昭和25年頃まで毎年十数万人が亡くなり日本の死亡原因の第1位であった。ストレプトマイシンをはじめとした抗結核薬が開発された後、患者数は長い間減少傾向にあったが、1997年から1999年には戦後はじめて増加した。現在は再び減少傾向だが、減少程度は鈍化しており、高齢者などでは注意が必要。日本で年間2万人以上の新規患者が発生し、2,000人以上の人が命を落としている。先進諸国の中では、日本の罹患率は高い。全世界では、約20億人が保菌者といわれ、毎年約170万人が死亡、エイズ、マラリアと共に世界三大感染症のひとつとなっている。

 による飛沫を吸い込むことにより感染するが、感染者が必ず発症するわけではなく発病率は5~10%。リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミドなど複数の抗結核薬による併用療法で多くの場合治癒する。ただし、治療途中で薬を中断したり、指示通りに飲まなかったりすると、薬剤耐性結核菌を生む可能性があり、WHOは「DOTS戦略」とよばれる医療関係者の目の前で服薬する方法を奨励して結核治療効果の向上を目指している。

 結核免疫の有無は、結核菌の培養ろ液に分泌されるタンパクを主成分とした部分精製品であるツベルクリン液(精製ツベルクリンPPD)を皮内注射し、48時間後の発赤により判定する。予防としては、毒性を弱くしたウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の生ワクチンBCGワクチン)接種が行われている。予防接種法により、乳幼児期の重症結核を予防するため、生後6ヵ月未満の乳児に、ツベルクリン検査を行わずにBCGを接種している。(2005.10.25 掲載) (2010.1.15 改訂)


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