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水晶体

 

crystalline leus

 水晶体は眼の中にあって、外界から入ってきた光を透過させ、網膜に結像させるレンズの役割をはたしている。主として、上皮細胞と上皮細胞が脱核してできた線維から構成されるという特異な器官であり、代謝はない。何十年にもわたって水晶体の透明性を維持できるのは、線維の整然とした配列と水晶体タンパク質の秩序だった構造が保持されているためである。

 水晶体のタンパク質は主にα、β-、γ-クリスタリンと呼ばれる構造タンパク質で形成されており、これらが相互作用して秩序だった巨大構造を維持している。加齢に伴い、タンパク質に種々の構造変化が生じ、秩序構造が乱れ、凝集が進むと混濁が生じ、白内障となる。タンパク質の秩序構造に変化をもたらす要素として現在までにタンパク質中のアミノ酸残基の酸化、リン酸化、ペプチド結合の部分的開裂、ラセミ化、異性化など様々な修飾が報告されている。(2014.7.更新)[FYI用語解説(ファルマシアVol.41,No.9)より転載]


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