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抗不整脈薬

 

antiarrhythmic drug

 不整脈のうち頻脈性不整脈抗不整脈薬の治療対象となっている。抗不整脈薬は作用機序によりクラスI-IVに分類されている。クラスI群はNa+チャネル阻害薬である。キニジン、ジソピラミドはNa+細胞内流入を抑制し、活動電位の立ち上がり抑制し、伝導速度を遅くする。活動電位持続時間を延長し、有効不応期を延長する。主として心房性不整脈に効果を示すが、心室性不整脈の治療にも用いられる。リドカイン、メキシレチンは心室筋の活動電位持続時間を短縮するが有効不応期に対する効果が小さく、相対不応期としては延長し異常な自動興奮を抑制する。クラスII群薬はアドレナリンβ受容体遮断薬である。プロプラノロールは交感神経系の亢進による不整脈に効果があるほか、キニジン様の膜安定化作用も持つ。心筋抑制作用も強く心不全喘息を悪化させる危険があるが、抗狭心症作用ももつ。クラスIII群薬はK+チャネル遮断薬あるいは再分極遅延薬である。電位依存性K+チャネルを抑制することにより活動電位持続時間の延長、有効不応期の延長を起こす。アミオダロンやソタロールがある。クラスIV群薬はCa拮抗薬であり、房室結節の不応期を延長させ、房室伝導を抑制する。ベラパミルやジルチアゼムがここに含まれる。(2005.12.15 掲載) (2009.8.12 改訂)


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