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定量的構造活性相関

 

QSAR(Quantitative Structure-Activity Relationship)

基本骨格が同じ化合物群の生理活性(受容体や酵素への結合活性、医薬品としての作用、毒性など)は、その基本骨格に結合している置換基により強弱が変化する。それらの置換基構造や物理化学的性質の違いと生理活性の強弱の間に認められる統計学的な関係性を定量的構造活性相関(QSAR)という。医薬品開発などで候補化合物をデザインする際、QSAR式を用いた生理活性予測は有効な手段の一つとなる。QSAR式中の、化学構造の違いを反映するパラメーターを記述子(descriptor)と総称し、一般な記述子としては、特定の化学構造の有無を表現するフィンガープリントや、化合物の物理化学的な性質(電子効果、疎水性、立体効果)の実測値・推算値が検討される。QSARの祖と言われるハンシュー藤田法(1964年)では、記述子に置換基の疎水性π、電子吸引性σ(ハメット則の置換基定数)、立体効果に関するパラメータEs(メチル基を基準にした置換基のかさ高さ)を用いたが、現在は、既知の化合物群の記述子とその生理活性を統計学的手法で解析し、適切な記述子を選定した上でQSAR式を作成することが一般的である。

ある化合物の酵素や受容体への親和性は、水素結合や静電的相互作用、疎水性相互作用などの分子間相互作用で説明でき、それを強くするためには、化合物のファーマコフォアが酵素や受容体の結合部位と相補的な位置にあることが重要である。そのため最近は、分子間相互作用に関係が深い物理化学的性質の記述子に加え、化合物の3次元形状を反映する記述子も広く利用される。化合物が標的に結合する際の3次元形状を仮定し、3次元空間上での構造活性相関を解析する手法を3-D QSARと呼び、その対比で従来法を2-D QSAR法と呼ぶことがある。(2008.5.14 掲載)(2014.7.更新)


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