polycyclic aromatic hydrocarbon;PAH/nitropolycyclic aromatic hydrocarbon;NPAH
PAHとは,芳香環が2つ以上縮合したもので,石油や石炭等の有機物の燃焼時に副生成する.気体としてだけでなく,粉塵に吸着して大気中に放出されるものも多い.代表的なものにbenzo[a]pyreneがある.また,PAH の一部は空気中の窒素や有機物中の窒素と反応してニトロ化し,NPAHとなる.これらは非意図的生成化学物質と呼ばれる.PAH, NPAHの中には,発がん性,変異原性,内分泌撹乱作用を有するものがある.自動車の多い都市や工場の多い工業地帯では,PAH, NPAHを含む大量の排煙による肺がんや喘息等の疾患の増加が,大きな社会問題になっている. [FYI用語解説(ファルマシアVol.40,No.3)より転載]