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坐薬

 

坐剤、suppository

肛門または膣に適用する製剤。適用部位のかゆみや炎症を抑えたり、感染症を治療する抗生物質を投与するために開発された剤形であるが、現在では、局所作用を目的としたものばかりではなく、全身作用を目的として、解熱鎮痛薬のインドメタシンや、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、小児用としてはアセトアミノフェンなどが広く用いられている。これは、坐剤として投与すると、①内服よりも即効性が期待できる、②乳幼児や病態により経口投与が難しい患者へも投与できる、③胃障害を回避できる、④肝初回通過効果が一部回避できるなどの利点があるため注射に代わる剤形として用いられるようになったためである。通常はカカオ脂などの体温で溶融する油脂性基剤や、マクロゴールなど体液を吸収して溶解する親水性基剤を用いる。近年はこの基剤を工夫することにより、徐放性や局所滞留性を高めた製剤などが開発されている。(2006.10.17 掲載)


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