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ポルフィリア

 

ポルフィリン症、porphyria

ポルフィリン症とは、ヘム生合成に必要な酵素の欠損あるいは活性低下することにより生じる一群の疾患である。遺伝的要因あるいは中毒のような環境要因によるヘム合成能力の低下は、ヘム前駆体の組織への蓄積や尿・糞中への排泄を増加させ、神経症状や皮膚症状を伴うポルフィリン症をもたらす。

ポルフィリン症は、ヘム生合成が障害される組織により、骨髄(赤芽球)性ポルフィリン症と肝性ポルフィリン症に分類される。また発現する症状により、腹部症状や精神神経症状を発症する急性ポルフィリン症(acute porphyria)と皮膚性(型)ポルフィリン症(cutaneous porphyria)に分類される。ポルフィリン症の発症頻度は、10万人に5人程度といわれるが、精神科領域での発症頻度が高い。また症状があらわれていないが、ヘム生合成に関わる遺伝子や酵素レベルでの変化がある人は、かなり存在しているものと推測されている。一生涯症状の現れない人もいる。遺伝的要因に加え、薬物、妊娠、飢餓などのストレスが、発症の引き金になると考えられているが、急性腹症のように誤診され、ポルフィリン症に禁忌の薬剤が投与される場合もあり、早期に適切な診断と適切な対処・治療を行うことが重要である。

ポルフィリン症では一般に予後が悪く、肝移植が必要となる場合や死に至る例もある。ポルフィリン症の治療には、高濃度グルコースヘム(ヘマチンやヘムアルギニン)の静脈内投与が行われるが、ヘム製剤は現在のところ日本では承認されていない。最近、海外でのヘムによるポルフィリン症治療の実績に鑑み、希少疾患用医薬品としてその導入が検討されている。(2008.12.8 掲載)


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