phosphodiesterase、PDE
細胞内セカンドメッセンジャーであるサイクリックAMP (cAMP)およびサイクリックGMP (cGMP)を分解しそれぞれ5’-AMP, 5’-GMPとする酵素。cAMP、cGMPのシグナル伝達を調節しており、哺乳類では11種類のファミリーを形成している。ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬は細胞内でcAMP・cGMPの分解を抑制しその濃度を高める。カフェイン、テオフィリンは非選択的なPDE阻害薬であり、その他選択的PDE阻害薬はさまざまな疾病の治療に使われている。PDE3は主に血小板・心臓・血管平滑筋に存在し、PDE3阻害薬であるミルリノンは急性心不全治療薬、シロスタゾールは間歇性跛行のような慢性動脈閉塞症の治療薬である。PDE4は免疫細胞、脳などに存在し、PDE4阻害薬は慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、潰瘍性大腸炎、認知症の治療薬として臨床試験が行われている。PDE5は血管平滑筋などに存在し、PDE5阻害薬であるシルデナフィル(バイアグラ)は局所血流量を増大させ男性機能障害(ED)、肺高血圧の治療薬となっている。(2007.3.9 掲載)