日本薬学会 薬学用語解説 日本薬学会
 参考文献  使い方
当サイトの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、本会は利用者 が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではありません。

ビタミンB1

 

vitamin B1, チアミン

C12H17ClN4OS,分子量300.81.水溶性ビタミンの一つで,抗脚気症因子として発見された.ピリミジン核とチアゾール核をもつ化合物.チアミンは酸には安定だが,アルカリ性では分解されやすい.アルカリ性で酸化すると蛍光物質チオクロムに定量的に変換する.ビタミンB1は天然には主にリン酸エステルとして存在し,体内では活性型のチアミン二リン酸(チアミンピロリン酸:TPP)として糖質代謝に関与する.すなわち,TPPはα-ケト酸の酸化的脱炭酸反応を行うデヒドロゲナーゼやケト基の転移を行うトランスケトラーゼの補酵素として作用する.ビタミンB1のリン酸エステルは,主に空腸でホスファターゼによりビタミンB1となって吸収される.体内では再びリン酸化され,肝臓や筋肉に貯えられるが,体内蓄積量は少ない.ビタミンB1はにんにくに含まれるアイリン,ねぎ,にらに含まれる硫化アリルと反応すると,脂溶性となり吸収が促進される.ビタミンB1の欠乏により,疲労倦怠感,多発性神経炎,浮腫心不全など末梢神経や心臓にさまざまな症状を呈する脚気を引き起す.また,低栄養のアルコール依存症患者にみられるビタミンB1欠乏症としてウェルニッケ脳症があり、中枢神経が侵されるため,眼球運動麻痺,運動失調,意識障害などを生じる.ビタミンB1は動植物性食品に広く含まれ,特に豚肉,胚芽,酵母,肝臓,豆類,卵黄に多い.ビタミンB1分解酵素として魚介類に含まれるアノイリナーゼが知られているが,食品の加熱により失活する.(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)


IndexPageへ戻る





Copyright© 2005-2008, The Pharmaceutical Society of Japan