バルビツール酸系睡眠薬はベンゾジアゼピン系と並ぶ代表的中枢系睡眠、鎮静薬。IUPAC命名法ではバルビタール骨格の名称はpyrimidine-2,4,6(1H,3 H,5 H)-trioneとなる。すでに5000以上の誘導体が合成され、50以上の化合物が市販された。Cl-チャネルであるGABAA受容体に作用して、GABAの作用を増強する。代表的な薬物としてはフェノバルビタール、アモバルビタールなどがある。ベンゾジアゼピン系薬物もGABAA受容体に作用するが、作用点が異なるために両薬物の構造に類似性は認められない。5位に2つのアルキル基あるいはアリール基が置換していることが活性発現に重要であり、ここの置換基の脂溶性と薬物の効果に相関が示されている。なお、3位の酸素がイオウになるとチオバルビタールと呼ばれる。 また、バルビツール酸系睡眠薬はバルビタールと略して呼ばれる場合もある。(2007.10.23 掲載)