「アロステリック」は「別の場所」を表す.アロステリックサイトは,アロステリック薬の結合を引き金として,タンパク質の構造に微妙な変化をもたらす.このとき,タンパク質に対するリガンドがオルソステリック(真の場所)に結合すると,このタンパク質の本来の生物機能に変化が認められる(アロステリック効果).アロステリックサイトに結合する化合物自体は,タンパク質の機能に影響を及ぼさない.例えば抗不安薬ジアゼパムは,GABA受容体におけるGABAの作用を増強させるアロステリック薬である.アロステリックサイトは,オルソステリックサイトへの従来のアプローチに加え,新薬開発に新たな場を提供するとして注目されている.(2014.11.FYI)