日本薬学会 薬学用語解説 日本薬学会
 参考文献  使い方
当サイトの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、本会は利用者 が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではありません。

アドオン試験

 

上乗せ試験

臨床試験(治験)を行う際に、被験者には既存の治療薬による標準治療を行いながらさらに、治験薬またはプラセボを追加して評価を行う方法。標準治療を既に受けている患者で実施される、新薬のプラセボ対照試験である。

有効な治療薬のない病態に対して治験薬が試験される場合には、通常プラセボ対照群との比較試験には倫理上の問題は生じない。一方、病態に有効な治療薬(標準治療薬)があるときには、標準治療をおこなわないプラセボ対照群の設置は倫理上の問題、被験者に試験が受入れられるかどうかの問題が生じうる。標準治療薬が、死亡や回復不能の障害のような重要な障害を防ぐことが知られている場合には、標準治療をおこなわないプラセボ対照群の設置は一般に不適当である。アドオン試験では被験者に標準治療が保証されることで、プラセボ対照群の被験者が治療されないという倫理的な問題が少なくなる。抗腫瘍剤、抗てんかん薬、抗心不全薬の試験で行われることが多い。

このデザインは、標準治療法が有効ではあるが十分ではない場合、また、新治療と標準治療が異なった作用機序である場合に適している。(2007.8.31 掲載)


IndexPageへ戻る





Copyright© 2005-2008, The Pharmaceutical Society of Japan