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アスコルビン酸

 

ビタミンC

C6H8O6、分子量176.13.水溶性ビタミンの一つ。抗壊血病因子(antiscorbutic factor)として発見されたことからアスコルビン酸(ascorbic acid)とも呼ばれる。白色結晶で酸味が強い。水、アルコールに易溶、エーテルベンゼンには不溶。熱やアルカリに不安定で、紫外線や銅、鉄などの金属イオンにより分解しやすい。D体には生理作用がなく、通常、L-アスコルビン酸を指す。強い還元力をもち、生体内ではさまざまな酸化還元反応に関与している。ヒト、サル、モルモットでは生合成の最終段階に関与するL-グロノ-γ-ラクトンオキシダーゼが欠損しており、食物からの摂取が必要であるが、そのほかの動物にはこの酵素が存在し、必須栄養素ではない。アスコルビン酸は酸性を示すが、これは3位のOH基が解離してHアスコルビン酸アニオンになるためである。生体内の中性領域においては主にアスコルビン酸アニオンとして存在している。アスコルビン酸が強い還元作用を示すのは、容易に酸化されてデヒドロアスコルビン酸になるためである。 アスコルビン酸は小腸上部から吸収され、門脈を経て肝臓で一部は代謝されるが、多くは副腎や脳下垂体などの組織に取り込まれる。アスコルビン酸は過酸化物の生成抑制、生体異物の解毒、チロシンの代謝、非ヘム鉄の吸収促進に不可欠である。また、コラーゲン、カテコールアミン、カルニチンの生合成やコレステロール代謝などの反応では水酸化に関与している。コラーゲン合成では、プロリン、リシンが水酸化され、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシンとなる翻訳後修飾の必須因子であり、欠乏症である壊血病はこの反応の障害に基づく。アスコルビン酸は新鮮な野菜、果物、芋類、緑茶に多く含まれ、特に柑橘類に豊富である。(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)(2014.7.更新)


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