5医薬品は生体高分子である酵素や受容体と相互作用する6経口で投与された薬物は胃腸管から吸収され、門脈から肝7薬は作用を発現する特定の細胞あるいは標的分子まで、そ8新しい医薬品をデザインする際には、標的となる酵素や受ことで薬理活性を示す。医薬品の設計や作用機序を理解する上で、薬分子と生体分子の分子間相互作用に関わる事項を理解して学習することは極めて重要である。■受容体との相互作用(不可逆的阻害と可逆的阻害)について説明できる。■非共有結合相互作用(イオン結合、水素結合、イオン−双極子相互作用、ファンデルワールス力、疎水性相互作用など)を説明できる■それぞれの相互作用の強さのおおまかな序列を理解できる(発展的内容)臓を経て血液・リンパ循環系に入り、標的器官や細胞に移行する。薬が吸収され体内に分布する際にその物理化学的パラメータ(酸性度、疎水性など)が重要な因子となる。化合物の分子構造に基づいてこれらの因子を予測できることは、医薬品を開発するための重要な学習事項である。の効果を発揮できる濃度を保持したまま到達し(分布)、薬効を発揮した後は速やかに不活性化されて体外に排泄されることを求められる。このプロセス(分布と不活性化)には、生体内酵素による薬物代謝反応が大きく関与している。一方、体内に取り込まれたあと、代謝反応による構造変換をうけて薬効を発揮する薬の設計(プロドラッグ化)も可能である。このた容体と相互作用する分子上の構成要素(ファーマコフォア)、相互作用において同一の効果を発揮する官能基や置換基(生物学的等価体)などについて学習しておくことが重要である。また、ルール・オブ・ファイブなど分子の特性(分子量や脂溶性、水素結合の数など)としての“薬になりやすさ(ドラックラ新薬開発において構造活性相関研究はリード化合物の最適化や強い主作用を持ち副作用が低減された医薬品を創製するために欠くことができない。構造活性相関研究を定量的に行うために、分子構造を基にしたいくつかのパラメータ(因子)が提唱されている。これらの因子の意味を正しく理解し利用することで、リード化合物から優れた機能を有する開発候補分子に効率的にたどり着ける。また、X 線結晶構造解析や NMR 等から得られる標的分子の立体構造情報に基づいて医薬品の分子構造をデザインする手法や、コンピューターを使用した計■酸性度 (p■a) について分子構造に基づき説明できる■疎水性 (log ■, log ■) について分子構造に基づき説明できる■膜透過性の高低について分子構造に基づいて理解できる(発展的内容)め医薬品の構造に基づいて薬物代謝様式を予測できることは、医薬品を設計する上で重要である。■分子構造に基づき、生体内代謝反応を予測することができる■好ましくない代謝反応を抑制するための構造変換を提案できる■プロドラッグの構造と利用法を理解できるイクネス)”は、ドラッグデザインをする上で指標の一つとなることがある。■ファーマコフォアについて説明できる■バイオアイソスター(生物学的等価体)について説明できる■薬になりやすさ(ドラッグライクネス)について説明できる算(■■ ■■■■■■解析)により医薬品と生体高分子との複合体構造を推定するドッキングシュミレーションも医薬品開発には重要なツールとなっている。■Hansch-Fujita 式とその中で用いられる疎水基置換基定数、 Hammettの置換基定数、Taftの立体因子について説明できる。■薬物‒生体分子複合体の構造解析アプローチについて理解できる■■■ ■■■■■■解析の医薬品開発への応用について理解している以下は、より発展的な内容である。大学院レベルの学習で習得しておくことが推奨される。9
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