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平成26年度学会賞受賞者のお知らせ

平成26年度学会賞および佐藤記念国内賞受賞者は、平成25年11月26日開催の理事会において次のとおり決定されましたので、お知らせします。

 授賞式  日時 平成26年3月27日(木)
       場所 鶴屋百貨店東館7階鶴屋ホール


○ 薬学会賞受賞者

(応募9件、授賞4件)

寺崎 哲也(東北大学大学院 薬学研究科 教授)
 「血液脳関門研究の新規手法の開発と輸送機能解明への応用」
畑山  範(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授)
 「高選択的分子構築法の開発を基盤とする生物活性天然物の独創的全合成」
畑中 保丸(富山大学 理事・副学長)
 「光アフィニティーラベリングの画期的高速化と生命科学上のブレークスルーへの応用」
米田 幸雄(金沢大学 医薬保健研究域薬学系 教授)
 「多様化形質細胞間の神経アミノ酸シグナルの普遍性」

○ 学術貢献賞受賞者

(応募1件、授賞1件)

第4B部門
倉石 泰(富山大学大学院 医学薬学研究部 教授)
 「鎮痒薬の前臨床評価法の確立とヒスタミン非依存性の痒みの機序の解明」

○ 学術振興賞受賞者

(応募8件、授賞3件)

第1A部門
大嶋 孝志(九州大学大学院 薬学研究院 教授)
 「亜鉛四核クラスター錯体による環境調和型触媒反応の開発と反応機構解析」

第1B部門
渡辺 賢二(静岡県立大学 薬学部 准教授)
 「生物のゲノム情報を活用した有用天然物生合成機構の解明および生物合成」

第4B部門
小椋 康光(昭和薬科大学 教授)
 「環境毒性学におけるメタロミクス研究の展開」

○ 奨励賞受賞者

(応募29件、授賞8件)

上田 昌史(神戸薬科大学 准教授)
 「連続的結合形成反応の開発と複素環構築への展開」
大西 英博(北海道大学大学院 薬学研究院 助教)
 「ローダサイクル中間体を経由する環化反応の開発と有機合成への応用」
齊藤 達哉(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 自然免疫学 特任准教授)
 「自然免疫応答の制御における細胞内分解系の役割」
月本 光俊(東京理科大学 薬学部薬学科 助教)
 「放射線細胞応答の新規メカニズムとしてのプリナージック・シグナリング」
仲矢 道雄(九州大学大学院 薬学研究院 薬効安全性学分野 准教授)
 「アポトーシス細胞の貪食の分子メカニズムに関する研究」
林  久允(東京大学大学院 薬学系研究科 分子薬物動態学教室 助教)
 「トランスポーター関連疾患に対する新規治療戦略の開発を指向した創薬研究」
宮本 和範(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 助教)
 「三価の超原子価有機臭素化合物の合成とその脱離能を推進力とする有機合成反応の開発」
山田 勇磨(北海道大学大学院 薬学研究院 助教)
 「ミトコンドリア標的型ナノデバイス"MITO-Porter"の創製」

○ 創薬科学賞

(応募3件、授賞2件)

「β3アドレナリン受容体作動薬 ミラベグロンの創製」
 丸山 龍也(アステラス製薬株式会社 化学研究所 主管研究員)
 恩田 健一(アステラス製薬株式会社 化学研究所 主管研究員)
 高須 俊行(アステラス製薬株式会社 薬理研究所 主管研究員)
 佐藤 修一(アステラス製薬株式会社 薬理研究所 主管研究員)
 鵜飼 政志(アステラス製薬株式会社 薬理研究所 主任研究員)
〔受賞理由〕
 β3アドレナリン受容体作動薬ミラベグロンは、ファーストインクラスの過活動膀胱治療薬として2011年9月に本邦で発売が開始され、米国および欧州においても発売されている。現在過活動膀胱治療薬として用いられているムスカリン受容体拮抗薬と比較すると、本薬は口内乾燥等の有害事象を発現する頻度が低く、膀胱のβ3アドレナリン受容体刺激作用を介して蓄尿時の膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を改善するとともにQOLを向上させる。アドレナリン関連化合物の特許が多い中、活性と選択性に優れた独自の開発化合物を創製し、また開発競争の激しい中にあり、他社に先駆けて医療に貢献できる薬剤を開発し臨床現場に提供できた点は創薬科学賞に値する。

「2型糖尿病治療を指向したSGLT2阻害薬カナグリフロジンの創製」
 野村 純宏(田辺三菱製薬株式会社 研究本部 創薬化学第二研究所 第一部 主席研究員)
 辻原 健二(旧田辺製薬株式会社 元社員)
 荒川 健司(田辺三菱製薬株式会社 研究本部 薬理第二研究所 第二部 部長)
〔受賞理由〕
 SGLT(ナトリウム-グルコース共輸送体)2阻害薬カナグリフロジンは、米国において2型糖尿病治療薬として2013年3月に承認を取得した。現在、欧州および本邦でも承認申請中である。SGLT2阻害薬は、体外に過剰な糖を排泄してしまうことでエネルギーバランスを正常化させ、血糖降下作用により糖毒性を解除するという新しいコンセプトに基づく新規糖尿病治療薬である。先行していた自社のO-グルコシド型の阻害薬研究が発端となり、自社において蓄積した技術や知識、他社特許情報等を巧みに活用しながら、自社開発化合物を創製した。さらに、本薬は臨床試験において既存のDPP4阻害薬を上回る血糖低下作用を示し、安全性などの点でもハードルが高い米国において最初に承認取得できたことは創薬科学賞に値する。

○ 教育賞受賞者

(応募1件、授賞1件)

鈴木 國夫(公益財団法人万有生命科学振興国際交流財団 理事)
 「薬学分野におけるシンポジウム活動を通じた学術振興と若手人財育成」

○ 佐藤記念国内賞受賞者

(応募3件、授賞1件)

 川上 純一(浜松医科大学 医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長)
 「医療現場における薬物治療の安全性確保を目指した臨床薬理学・薬剤疫学研究」



歴代受賞者