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会頭 松木則夫
本年6月1日より改正薬事法が完全施行され、登録販売者制度が導入される。
一般用医薬品の販売において、薬種商や特例販売が廃止され、薬局、店舗販売業、配置販売業に整理されて分かり易くなった点は評価される。しかし、3段階のうちリスクの低い2分類の医薬品は登録販売者が販売できることになり、薬剤師しか販売できないリスクの一番高い一般用医薬品は全体の僅か4%である。薬系大学や薬学部の新設で薬剤師養成に特化した6年制薬学部の定員は1万3千人にまで肥大した。旧4年制薬学部卒業生のうち薬剤師として就職している者は4千五百人程度なので一挙に3倍の供給となる。これらの事情は、「薬剤師過剰問題」として雑誌などにも採りあげられている。
薬剤師需給の面ではピンチであるが、国民に医薬品の本質や薬剤師の役割を理解してもらう良い機会でもある。国民が薬局で初めて薬剤師の存在を意識し、身近な存在になれる可能性がある。購入時に薬剤師から優れた服薬指導を受ければ評価が高まる。第三類に限定されたインターネット販売業者が規制に猛反発しているが、科学的には今まで黙認されてきた方が問題である。ただ、マスコミの視点は利便性に偏り、薬の本質や育薬の概念はほぼ欠如している。国民やマスコミに薬剤師の理解や信頼が浸透していない裏返しとも言える。「薬学」の役割を理解している国民も少ないと思われる。薬学会は厚生労働省の委嘱を受けスイッチOTC薬の選定に協力している。これを機会に、積極的に、薬学会の活動、薬剤師の役割、育薬の重要性を国民に訴えていきたい。今後もいろいろな機会を捉えて積極的な情報発信を心がけていきたい。 |