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信頼される薬剤師・良質な薬学研究者の養成を目的にスタートした薬学6年制教育にとって重要な事の一つは、薬や生体の現象をその本質である化学反応を基本に理解出来る「化学に強い薬剤師の養成」ということであり、どのような化学系教育を構築するのか、特色ある教育手法が待たれる。近年、創薬の手法として、薬とタンパク質をはじめとする生体高分子の相互作用をコンピュータ上で解析し、分子レベルで薬を設計するStructure-based Drug Design法が汎用されている。本法は、薬と生体高分子の結合の様子をつぶさに目で見ることを可能としたため、「薬は試薬」、薬の結合相手である「生体高分子も試薬」といった理解が直感的に可能となり、化学的知識を薬の作用に結びつける接着剤としてうってつけである。このような手法による教育は、1つの科目としてある時期に単独で配置するのではなく、必要に応じて学年・科目横断的に配置することで目的を達成出来る。例えば、薬理学や薬物治療学のような生物系科目、臨床系科目を学ぶ際に本手法を組み込むことで、「薬の専門家」としての視点を醸成出来る。薬学教育の場では、薬学のアイデンティティである化学と最新の手法を組み合わせたup-to-dateな教育を遂行し、薬に関する諸事象を分子レベルで理解出来る学生を育てる事が、新しい薬学教育の目的の一つを達成出来ることであると考える。
Neuraminidseとoseltamivirの複合体
PDB: 2HU0 (R. J. Russel et al., Nature, 443, 45-49 (2006).)より抜粋
昭和薬科大学 斉藤俊昭
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