院内飢餓ーRefeeding症候群に注意!!

 クワシオコアやマラスムスに代表される飢餓は、遠い国の病気のように思われるが、院内でも担がん、神経性食思不振症患者等に見受けられる。このような、一種の飢餓状態にある低栄養患者が、栄養を急に摂取することで水、電解質分布の異常を引き起こす病態を総称してRefeeding症候群といい、心停止を含む重篤な致命的合併症を起こすことがあり注意が必要である。
 例えば、受験のストレスを契機に神経性食思不振症で入院した10代女性の場合、体重26kg、身長160cm(Body mass index (BMI) 10kg/m2)であったが、入院後、経鼻胃管から食事(500kcal)を投与すると数時間後に意識が消失し、血糖値や血清リン値が大幅に低下、数日して心機能も高度に低下し、集中治療が2週間必要であった。
 Refeeding症候群発生の高リスク因子として、低BMI (<16)や血清リン、カリウム、マグネシウム、血糖等の異常値がある1)。そこで、担がん患者を含めた低栄養患者の身長、体重、BMIについては改めて見直し、治療を始める必要がある2)
 
1) De Silva A, Smith T, Stroud M. Attitudes to NICE guidance on refeeding syndrome. BMJ., 2008 Jul 8;337:a680. doi: 10.1136/bmj.a680
2) Marinella MA. Refeeding syndrome: an important aspect of supportive oncology. J Support Oncol.,  2009 Jan-Feb;7(1):11-6. Review.

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図.Refeeding 症候群の機序
リフィーディング症候群とは,飢餓状態での栄養投与が致死的な全身合併症を引き起こす病態である.
 急激な栄養投与を行った場合には,血管内から細胞内に糖や電解質などが急激に移行するため,重篤な低血糖を起こしたり血管内の電解質のバランスが崩れるため,重篤な不整脈を生じ,心停止に陥ることもあることが知られている.



大阪大学医学部附属病院 清水健太郎




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