睡眠時間を調節する遺伝子が同定された!

 人の睡眠時間は7〜8時間が標準だとされるが、わずか3、4時間しか眠らなくても平気な人もいる。このように、 個人によって必要な睡眠時間が異なる理由には、遺伝的要因が関与していると推測されていたが、その詳細は不明であった。
 Cirelliらのグループは、ヒトと睡眠パターンの類似しているショウジョウバエをEthylmethane sulphonate (EMS) 処理することにより突然変異体を作製し、その中から短時間睡眠型を示す株(minisleep;mns)を発見した。 1)  遺伝子配列を解析した結果、Mns はX染色体のShaker 遺伝子 (電位依存性 K+ チャネルのαサブユニットをコードする遺伝子) に変異をもつことが明らかになった。Mnsは短時間睡眠であるにもかかわらず、 覚醒時の行動は野生型のショウジョウバエと変化がなかった。しかしながら、 通常8週間とされるショウジョウバエの寿命を全うしたのは野生型では60%であったのに対して、Mnsでは40%に留まり、 短時間睡眠を引き起こす変異遺伝子は個体に短命をもたらす原因となることが示唆された。以上のことから、Shaker 遺伝子は睡眠量の制御に重要であると考えられた。今回の発見は、 これまで多くの謎に包まれていた睡眠の仕組みや働きを解明する大きな一歩となった。
【参考文献】
1) Nature, 434(7037): 1087-92(2005).

 

富山医科薬科大学大学院薬学研究科 中島寿久


 




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