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今月の薬草
シソ
Perilla frutescens BRITTON var. acuta KUDO ( シソ科 )
シソ Perilla frutescens BRITTON var. acuta KUDO (シソ科)花
−写真は昭和大学薬学部薬用植物園ホームページより転載−
 中国原産の1年草。種子が縄文時代の遺跡から出土していますので,かなり古い時代に渡来し,栽培されていたようです。株全体に芳香があり,夏季に白色から淡紫色の花を付けます。
 和名は漢名「紫蘇」の音読みです。薬用には紫色系統の赤ジソの葉や種子を用います。それぞれの生薬名をシソヨウ (紫蘇葉) とシソシ (紫蘇子) といい,いずれも発汗,解熱,鎮咳に用いられます。日本では用いられるのはもっぱら紫蘇葉です。緑色系統の青ジソ (いわゆる大葉) は薬用とされません。
 梅干しは日本の代表的な保存食品の一つです。その梅干しに特有の風味と色合いを与えてくれるのは,赤ジソです。面白いことに,ウメもシソも原産地は日本ではなく中国ですが,梅干しは日本固有の伝統的な加工食品として親しまれています。
 赤ジソの赤紫色はアントシアン系色素の色です。赤ジソは,ジュースにするときれいな色合いに仕上がり,しかもほんのり美味しいことから,最近人気があるようです。作り方は簡単です。赤ジソ200グラムを,小さじ2〜3杯のクエン酸を溶かした1リットルの水と弱火で10〜20分くらい煮ます。葉を取り除いた煮汁に砂糖300〜500グラムを加えると出来上がりです。ジュースは通常5〜6倍に薄めて飲みます。また,そのままをゼリーとして,あるいはヨーグルトと混ぜて楽しむことができます。(磯田 進)

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