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ポロニウム

 

Polonium、Po

原子番号84、周期表上テルルの一つ下に位置する元素で、元素記号Poで表記される。1897年、マリー・キュリー(キュリー夫人)により発見され、発見者の祖国ポーランドのラテン語名(Polonia)にちなみ命名された。ポロニウムには安定同位体が存在せず、7種の同位体はいずれもα線放出核種である。多くのα線放出核種と異なり、崩壊(壊変)に伴うγ線の放出がないのが特徴である。自然界に存在するポロニウム同位体のうち、最も半減期が長い(約138日)のはポロニウム210であり、α崩壊(壊変)により206を生成する。ポロニウムの化学的性質はテルルやビスマスに類似しており、水に不溶で酸に溶けやすい。昇華性があり、比放射能が高いことから、厳重に管理されている。人体に対する毒性は、LD50が47 ngと極微量で致死性を示すが、α線放出核種であることから、外部被曝が問題となることはなく、もっぱら内部被曝が問題となる。最近では、2006年11月に英国で発生した元ロシア連邦保安庁(FSB)情報部員不審死事件で、ポロニウム210が被害者の尿中から検出されたことから、注目された。(2007.3.15 掲載)


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