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ヘム

 

heme

広義にはポルフィリンの鉄錯体を表すが、狭義には、プロトポルフィリンIXの2価鉄錯体を意味する。生体内に存在する代表的な金属ポルフィリンで、酸素の運搬・貯蔵に関わるヘモグロビン・ミオグロビン、呼吸鎖を構成するシトクロム類、シトクロムP450やカタラーゼなど異物代謝や酸化還元に関わる酵素類など、ヘムタンパク質の重要な補欠分子族である。ヘムが400-600 nmに特徴的な吸収を示すことから、ヘムタンパク質は赤から褐色に着色して見える。補欠分子族としてだけでなく、ヘムはタンパク質のヘム調節モチーフと呼ばれる領域に結合し活性調節に関わるほか、5-アミノレブリン酸合成酵素遺伝子などの転写調節にも関わる。ヒト体内では、主に幼若赤血球や肝臓において生合成が盛んで、グリシンとスクシニルCoAから、8段階の酵素反応を経て生成する。遺伝要因や中毒などによるヘム生合成能力の低下は、ヘム生合成前駆体の組織への蓄積や尿・糞中への排泄を増加させ、神経症状や皮膚症状を伴う、ポルフィリン症をもたらす。

(2008.12.8 掲載)


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