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シアノコバラミン

 

ビタミンB12 cyanoco balamine

C63H88CoN14O14P,分子量1355.38.水溶性ビタミンの一つで、抗悪性貧血因子として肝臓から単離された。分子の中心にコバルトを含むコリン環化合物である。ビタミンB12は広義ではコバラミン、狭義ではシアノコバラミンを指す。水、エタノールに可溶、クロロホルム、エーテル、アセトンには不溶で、熱には安定である。ビタミンB12活性をもつ化合物は、コバルトに水酸基が結合したヒドロキソコバラミン、メチル基が結合したメチルコバラミン、5'-デオキシアデノシンが結合したアデノシルコバラミンなどがある。体内では主にメチルコバラミンとアデノシルコバラミンが補酵素作用を示す。アデノシルコバラミンはメチルマロニルCoA ムターゼなどの異性化反応やジオールデヒドラーゼなどによる水またはアンモニアの脱離反応などの補酵素として働き、メチルコバラミンはメチル基転移酵素の補酵素である。これらは細胞の分化と増殖、中枢神経の保持などに関与している。食品中のビタミンB12は胃から分泌される糖タンパク質(内因子)と結合して回腸から吸収される。血清中では主にメチルコバラミンとして糖タンパク質であるトランスコバラミンと結合して運搬され、組織中ではアデノシルコバラミンに変換されて主に肝臓に貯蔵される。胃切除や完全な菜食主義などによりビタミンB12が欠乏すると、巨赤芽球性の悪性貧血、成長遅延、末梢神経障害などが起る。ビタミンB12欠乏状態は、血清ビタミンB12、尿中メチルマロン酸などの濃度により判定される。肝臓、魚介類、卵黄、肉類、牛乳などの動物性食品中にタンパク質と結合して存在する。腸内細菌によって産生されるので、欠乏症は起りにくい。(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)(2014.7.更新)


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