日本薬学会 薬学用語解説 日本薬学会
 参考文献  使い方
当サイトの掲載情報の正確性については万全を期しておりますが、本会は利用者 が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではありません。

コカイン

 

cocaine

南米、東南アジアなどで栽培されるコカノキ科、コカノキ(Erythroxylon coca)の葉に含まれているアルカロイドで、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬に指定されているが、塩酸塩は医薬品として用いられている。粘膜に用いると知覚神経末梢を速やかに麻痺させ、局所麻酔作用を示す。中枢神経系では神経終末にあるドパミントランスポーター、ノルアドレナリントランスポーターおよびセロトニントランスポーターに結合・阻害し、各メディエーターの神経終末内への再取込みを抑制する。少量の摂取で、大脳皮質の刺激が軽度のときは快適感を催し、精神的ならびに肉体的に活力が増大した感覚を与える。中枢神経興奮作用によって幻覚や妄想などの精神疾患様の症状(精神毒性)を起こし、攻撃行動を誘発することから、凶悪犯罪の原因になることがある。この精神毒性は、コカイン摂取した直後(急性)だけでなく、常用者では慢性的に見られる。連用による慢性毒性は、便秘症、不眠、幻覚、精神の諸障害などである。注射では少量でもしばしば危険を伴うので、粉末を鼻で吸引するか、吸煙(加熱吸引)する方法で乱用される。妊娠中の女性がコカインを摂取することにより、早産、流産、胎児の死亡などの影響がみられる。また、新生児には被刺激性が高い、落ち着きがない、食物を摂取しない、呼吸や心拍数が速い、睡眠が不規則になるなどの影響がみられ、コカインベイビーといわれる。 (2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)(2014.7.更新)


IndexPageへ戻る





Copyright© 2005-2008, The Pharmaceutical Society of Japan