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インスリン

 

insulin、インシュリン

分子量5807(ヒトインスリン)。血液中のグルコース値(血糖値)の調節に関与するペプチドホルモン。21個のアミノ酸残基からなるA鎖と30個のペプチド鎖からなるB鎖が、二つのジスルフィド結合で結合した構造をしており、A鎖内のCysの間にも一つのジスルフィド結合がある。インスリンは膵臓のβ細胞で合成、分泌される。粗面小胞体で、プレプロインスリンの形で生合成される。プレ部分はシグナルペプチドで、ポリペプチドが合成され小胞体内に移行した後、切断され、プロインスリンとなる。プロインスリンはB鎖-C鎖-A鎖の順番につながったポリペプチドで、ゴルジ体に運ばれた後、β顆粒内でプロテアーゼによる修飾によりC鎖が除かれインスリンを生じる蓄積される。これがインスリン分泌刺激により細胞外に分泌される。

グルコースにはインスリンの分泌刺激作用があり、食事直後に血糖値が上昇すると膵臓からのインスリン分泌が高まる。インスリンはさまざまな組織に作用し、インスリン受容体を活性化する。筋肉や脂肪細胞では細胞表面のグルコース輸送担体(GLUT4)を介して、グルコースの取込みを亢進させる。肝臓や筋肉ではグルコースはグリコーゲンへ変換されて貯蔵され、その結果、血糖値は速やかに正常値に戻る。インスリン抵抗性の亢進、あるいはインスリンの分泌が不十分の場合に血糖値が下がらず、糖尿病となる。インスリン分泌促進剤として、グルコースのほかに、アミノ酸、βレセプター刺激剤、αレセプター遮断剤、スルホニルウレア剤などがある。(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)


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